今後の鉄道について考える
毎年4月25日は「鉄道の未来について考える日」としています。今年は経済的な視点を中心に将来どうなるのか考えてみます。
意外?今も総延長は増加している

ローカル線の廃止が多く発生する一方、新幹線や都市圏の新路線開通などにより、30年前と比べると日本国内の鉄道の総延長は増加しているそうです。確かに言われてみればそうなのかもしれませんが、この事実は意外に感じました。
特に新幹線は総延長が数百kmに及ぶ一方で、利用客の減少によって廃止されるローカル線の総延長は長くても100km程度のところが多いです。開業が確定している鉄道路線としては東京~名古屋のリニアモーターカーと新函館北斗~札幌の北海道新幹線、双方を合計すると実におよそ500km以上になります。
そうすると、30年後も人口減少というマイナス要素があるにもかかわらず、鉄道路線の総延長は増加していることは間違いなさそうです。
今後も都市交通や都市間交通としては増加?

前述の通り、新幹線を中心に都市間交通としては鉄道がこれからも伸びることは間違いないかと思われます。新幹線の開業前後を考えてみると、多くの乗客は値上がりとなっても所要時間の短い新幹線や鉄道を選んでいることは間違いなさそうです。
新幹線の開業により値上がりになるため、乗客数が伸びるのではないかと思われた関西~北陸の高速バスは軒並み減便で、金沢~富山などを結んでいた短距離の高速バスに至ってはバス運転手の不足も手伝って廃止が相次いでいるという状態です。おそらく、運賃を燃料代や運転手の確保などを考慮した適正な額に設定すると価格での優位性が失われ、逆に採算割れになるという判断なのではないかと思われます。
富山市内の環状線やライトラインの成功を見ると、県庁所在地などの主要都市で今後も新たなLRTなどが開業する可能性があると考えられます。広島や福井、富山のような郊外鉄道と路面電車の直通運転を行うようなスタイルのLRTも意外な都市で登場するかもしれません。
どうなるローカル線

都市圏から近ければ観光路線としての活用が考えられますが、現在の高速道路のように「とりあえず、鉄道網を整備した」という路線や貨物輸送が主体だった路線などを中心に今後も廃止路線が増えると思われます。
インバウンドの増加により潤う観光地は多いものの、レンタカーを借りられないインバウンド観光客も多いため、恩恵を受けられない観光地や店舗も少なくないそうです。ローカル線が廃止されずに残っているのであれば、そうした観光客向けの特別列車を運行して観光地の活性化を図るということも考えられるかと思います。国際空港へ外国人観光客を迎えに行く車中泊のあるミステリー列車、なんていうのも面白いかもしれません。
トラック輸送がドライバー不足により行き詰る可能性が出てきていることを考えると、新たなスタイルの小容量鉄道輸送も考えなければならないかと思います。そのような輸送にローカル線が活用されるかもしれません。もしかしたら、2050年ごろにはロボットがローカル線の列車に荷物を積み下ろしする、宅配ドローンが駅舎から配送先に向かって飛び立つ、そんな光景が見られるかもしれません。
鉄道会社の提供するサービスについて

すでに鉄道各社では乗務員の確保が思うようにいかず、減便や運転区間の短縮、急行(快速)運転区間の見直しといった政策を実施しています。駅係員も足りておらず、乗客への十分なサポートを提供できないといった状況も散見される状態です。
これからも可能な限り乗客の持つスマートフォンで対応してもらえるようにシステムの開発を進めるかと思われますが、それでも予期しないトラブルにより人の手で対応する必要もあるはずです。また、駅係員や乗務員の削減を過度に進めず、人間ならではの手厚いサービスを売りにした特別列車(車両)の開発、ワンマン運転で少ない乗務員で対応できるようにした分、列車本数をある程度維持する、ゆったり乗車できる車両といった、値上げされても乗客が満足感を感じるサービスの提供も必要になってくるかと思います。
それから、駅係員や乗務員はもちろん、施設や車両を整備する技術係員も含め、全社員が安心して長く勤められるような環境や待遇の整備を行っていく必要があると思います。つい最近、鉄道業界ではないものの点検整備中の機械に挟まれるという痛ましい死亡事故が起きたばかりです。長年憧れだった職場で命を落とす、そうしたことがないように今一度そうした事故のリスクが無いか、総点検をしていただきたいと思います。